素材のこと

正確には 「オーガニックコットンを使うということ」

現在ルグの商品では「ゆるりパンツ」と「ゆるり* ブラ」に、オーガニックコットンを使用したものがあります。 けれど、単純に「オーガニックだから肌に安全、 環境に良い」とは言い切れないのではないか、とも思っています。 

バリで入手可能なオーガニック・コットンのニット(Tシャツ)生地は、生成りというよりオフホワイトの、化学染料や草木染めで染めた場合も思った色が出しやすい仕様になっています。 言い換えれば、材料となる綿はオーガニック栽培のものを使い、布にする過程で真っ白までとは 言わずともある程度漂白して色味を整えている、ということです。

万が一色の調整をしなくても、布にするまで工程ではオーガニックでない綿と同じように工業機械を使って綿を糸にし、生地を織る際に糸の滑りが良くなるようにワックスや工業油が使われています。日本で最近多く安価に流通するようになった「オーガニック・コットン」製品の多くも、価格から判断するにオーガニックではない綿と同じ行程で布にする加工がされていると思います。 

バリで入手可能なオーガニック・コットンのニット(Tシャツ)生地は、生成りというよりオフホワイトの、化学染料や草木染めで染めた場合も思った色が出しやすい仕様になっています。 言い換えれば、材料となる綿はオーガニック栽培のものを使い、布にする過程で真っ白までとは 言わずともある程度漂白して色味を整えている、ということです。もちろん、原料に有機綿を使うだけでなく、製造過程まで厳密に管理して化学処理を最小限にしている生地製品もあり、ルグもそういう生地が使えれば理想的ですが、バリでは手に入りません。

ところで、「オーガニックコットンは肌にやさしい」という印象があると思いますが、布生地まで加工された綿花は、オーガニック栽培でないものも残留農薬などが検出されることはほぼなく、オーガニックとの区別がつかない、と言われています。ですから、オーガニック認証ではトレーサビリティ（栽培した畑まで遡って限定できる）も重要とされていますし、実は「オーガニックだから肌に良い、安全」と謳ってはいけないことになっています。

それでもオーガニックコットンを選ぶ理由はなんでしょう。

それは、農薬による土地の汚染や農家の方々への健康被害のために他なりません。「肌に良い」とは、コットンを育てる人のために「良い」なのです。だからやっぱり、選択肢がある限りオーガニック栽培が良いと思います。また、オーガニックコットンの製品を買うということは、環境や綿花農家の人々を農薬の害から守ることに加え、利益本位の生産体制や企業に対するアク ティブな「反対」の意思表示のなのだと、ルグは考えています。 

 そういう理由からルグは、商品の一部にオーガニックコットンを使っています。ただ、そのため絶対的に「良い」のではなく比較的に「より良い」選択のレベルです。ルグの商品に限らず、世の中のオーガニック商品の多くはそういうものだと思っています。そして、そんなひっかかりもあるために、全ての商品をオーガニックコットンにすることが出来ずにいます。抵抗している、とも言えるでしょう。

私も以前は「オーガニック」であれば無条件に良いと思っていたふしがあります。それが、自分の商品として売るとなって、こうしてもう一歩踏み込み、いろいろと考え知ることができました。そんなことを、ルグの商品を通して少しでもお伝えできれば嬉しいです。