草木染めのこと

ルグの草木染めシリーズの染色は、バリで地元の方がやっている工場にお願いしています。ここでは、インドネシア国内で手に入る植物の葉や木の皮を使っています。手法は伝統的なものではなく、様々な媒染剤を独自の配合で使って多様な色を出せるようにしているそうです。

排水を工場内で処理する、マングローブなどのバリで守らなければならない植物は使わない、材料の葉は木が痛まない範囲で伐採する、など、自然や環境への配慮もしている工場です。

化学染料とは違い色に深みがあって、着るとやはり気分が良いです。

けれども、商品化するには悩んだ点もいくつかあります。

☆ 色褪せ 草木染めは化学染料で染めたものに比べ、管理が少々面倒で色褪せも早いです。特に太陽の光に弱く、直射日光に当たるとどんどん色が薄くなっていきます。

☆ 肌への刺激 草木染めに限らず、原料が自然由来だから100%安全、というのはあり得ないと思っています。 もともと植物の力というのは植物自体が自分を外敵から守る為にあるもので、それが強ければそれだけ人間を含む「他のもの」に害となる力になり得るからです。

色落ちに関しては、長く使って頂きたい商品にこれは致命的な気がして悩みましたが、草木染めはそうやって落ちていく(変化していく)色も味があります。日本の伝統的な草木染めの中には、色褪せしにくい素晴らしい染め方もありますが、ルグは手間が掛かって高価な商品を作るよりも、安価で気軽に楽しめるほうを選びました。ですので、ぜひ気軽に、色の変化までお楽しみ頂ければ嬉しいです。

肌への刺激については、草木染めに使う植物は昔から長く使われて人間へ害が少ないことが分っていますが、昔とは媒染剤が変わっていますし、さらに現代人にアレルギーや敏感肌が多いことを考えれば、昔の人が大丈夫だったものも今の人に合わない、という可能性もあります。ですから、草木染めの安全性を過信せず、万が一ご自身の肌が「負けて」しまったらすぐにご使用をお止めください。そして今後の参考のためにも、その旨ご連絡頂けると嬉しいです。


【追記 2016.04】

このように始めて、ルグの商品の中でも一番人気だった草木染め商品ですが、その規模を縮小することにいたしました。理由は「草木染めを休むこと:ルグがルグらしくあるために」に詳しく書きました。ぜひお読みください。